家畜予防注射事業 (豚)
萎縮性鼻炎 母・子【不】
病気の概要
 豚の萎縮性鼻炎(AR)はボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bb)の単独感染、あるいはBbに毒素産生性パスツレラ・ムルトシダ(tPm)が重複感染して起こる慢性呼吸器病です。感染は保菌母豚あるいは病豚との直接接触によって起こります。初産豚が感染した場合に典型的な症状の発現が認められます。初期症状は、くしゃみ、鼻づまり、鼻汁、アイパッチ等ですが、症状が進行すると鼻出血、上顎の短縮("狆づら")、顔面の変形("鼻曲がり")および発育遅延を起こします。
 豚ボルデテラ感染症ワクチンは、繁殖用雌豚および子豚に使用する不活化ワクチンと生後7日以内の子豚の鼻腔内に噴霧接種する生ワクチンがあります。
 また、tPmの重複感染を予防するために、tPm単味トキソイドワクチン、あるいは、豚ボルデテラ感染症ワクチンにtPmのトキソイド又は不活化菌体成分を加えた混合ARワクチンが平成8年度から実用化され、繁殖用雌豚および子豚に使用されています。

▲鼻出血、眼瞼下部のアイパッチ、及び鼻梁の湾曲
ワクチネーションプログラム
成 豚 

●1回5mlを1〜3ヶ月間隔で2回。
   ただし2回目は分娩前1ヶ月。
●次回以降は分娩前1ヶ月の1回のみ。




子 豚  ●免疫母豚の産子:5週齢で1ml。1〜2週後1ml。


非免疫母豚の産子:4週齢までに1ml。1〜2週後1ml。