家畜予防注射事業 (牛)
アカバネ病・アイノ・チュウザン混合(異常産3種)
病気の概要
●チュウザン病
 カンバウイルス(チュウザンウイルス)が妊娠牛に感染することによって、異常産を起こす病気です。生まれた子牛は起立不能、後弓反張、てんかん様発作、眼球振盪等の神経症状や盲目、自力吸乳力の欠如が見られます。剖検で大脳及び小脳の欠損や形成不全を呈する例が多く見られます。
 本病は、1月を中心とした寒い時期に発生しますが、原因となるウイルスの感染は夏から秋にかけて吸血昆虫の活動期と一致しますので、本病の予防には4〜6月にかけてワクチン注射を行うことが大切です。



▲後弓反張、眼球振盪及び前肢の伸張などの神経症状を示す子牛
●アイノウイルス感染病
 アイノウイルスが妊娠牛に感染することによって、異常産を起こす病気です。異常産は流早産であったり、生まれた子牛が関節や脊髄の湾曲、水頭無脳症を示す等アカバネ病と非常によく似た症状を示します。
 アカバネ病との違いは、本病では小脳の形成不全が見られると言われています。最近では平成7〜8年に九州を中心に四国、中国、近畿で発生が見られました。この病気もアカバネ病やチュウザン病と同様に夏場に吸血昆虫により媒介されますので、予防のためには4〜6月にかけてワクチン注射を行うことが大切です。
ワクチネーションプログラム
※ 蚊の発生する6月までに予防接種を完了する。

●3mlずつを4週間隔で2回注射。次年からは年1回追加注射。