平成12年度推薦事例
指導支援部門
「検定・測定数値を活用した指導による酪農の経営改善」

JA碓氷安中 生産課  
JA碓氷安中 生産課 JA碓氷安中 生産課

 牛群検定成績及び、畜舎内環境測定数値、生産実績をもとに、クーラーステーション並びに関係指導機関と連携して指導した結果、短期間にめざましい経営改善成果を上げた。
 指導は、白石営農指導員が核となり、関係団体機関との連携、数値の分析、指導資料の作成等、それぞれの機関のもつ特徴を生かし、総合的に指導に当たっている。


指導支援活動の概要
対象経営
  牛群検定事業に参加している10戸の酪農家で、平均飼養規模は成牛でおよそ40頭、耕地面積が少ないため購入飼料依存型の経営が多い。労働力は2人の経営が多い。
 
活動開始の動機・背景
 具体的な指導の開始は平成5年よりとなるが、当時は、乳価、肉価とも低迷し、経営の先行き不透明なため酪農の廃業、後継者の減少等酪農経営は危機に直面した。
 
活動体制
 JA の農家経営改善委員会(事務局長 生産課長)の中の酪農部門として、営農指導員及び西部クーラーステーション職員がこの指導に当たつている。データの分析、指導資料等の作成は、白石営農指導員が担当している。
 
主な指導事項
  1. 牛群検定の結果を生かした飼料給与法。
  2. 繁殖台帳の作成と活用。
  3. 暑熱対策としての、舎内の風の流れの調査と扇風機の設置場所の指導。
  4. 乳牛個体ごとのカルテ作成とその共同利用。
  • 簿記記帳と経営分析。
  • ふん尿の適正処理利用についてのアドバイス。
 
指導の成果(平成7年〜平成11年)  (表2.3参照)
  1. 指導開始時の1頭当り日乳量は25.14kg、現在27.06kgと大幅に向上。
  2. 分娩間隔の短縮……421.4日から417.3日に短縮。
  3. 事故率の低下……数値は掴めないが明らかに低下している。
  4. 成牛更新率の安定……24.3%〜 23.3%で安定。
  5. 資本投下によるものでなく、日常管理的技術向上による産乳量の増と所得の向上。
  
対象経営及び関係機関からの評価
  1. 牛群検定成績を有効に活用している。
  2. 農家によい意味での競争意識(農家間の)を持たせることが出来る。
  3. 農家に日常の記録、記帳の重要性を認識させることが出来る。
  4. 当活動には、新たな資本投下は必要なく、コストがかからない。
  5. 農家に客観性を持たせることが出来る。
  6. 関係機関および指導者間の相互理解と意志疎通が図れる。
  7. 当営農指導を通じて農協への信頼性を高めている。
  8. 指導対象農家はモデルケースとして他酪農経営に大きく貢献している。
  9. 農協等の酪農についての営農指導体制の見本となっている。
 
今後の方向
  1. 現在10戸を対象としているが、管内には30戸の酪農家があり、全戸を目標にする。
  2. 経営成果は変動している。経営者は常に経営内容を見つめ改善を図るよう習慣づける。
  3. 暑さ対策は大きな課題。画一的な対策でなく、それぞれの牛舎に合った暑さ対策を進める。
  4. 牛床改善により牛の肢蹄疾病予防と生産性の向上を図る。
  5. 環境問題は経営存続の大きな問題であり、経営に応じた処理技術の指導をする。
  6. 家畜排せつ物の利用について利用組織を作る等、地域内耕種農家との連携を図る。
 
1.主要家畜飼養状況  (第46次農林統計による)
  乳牛 肉用牛 採卵鶏
 
安中市 30 1,330 40 1,190 10 20,400 - -
松井田町

20 1,110 0 6,600 0
30 60 2,290 10 27,000 -
 
2.繁殖・乳量に関する推移(平7〜11年)
(指導農家平均)
  

平均産次数

(産)

平均分娩間隔

(日)

平均種付回数

(回)

搾乳牛1日当乳量

(kg)

7年

2.28

421

2.41

25.1

8年

2.41

419

2.42

26.2

9年

2.56

412

2.40

27.1

10年

2.57

417

2.46

26.1

11年

2.81

417

2.66

27.1

 
3.経産牛頭数の推移と産乳量(平7〜11年)
(指導農家平均)
  

経産牛飼養頭数(頭)

年間搾乳量(kg)

経産牛1頭年間乳量(kg)

7年

41.33

332,301

8,040

8年

44.31

370,262

8,356

9年

46.45

397,149

8,550

10年

46.74

387,115

8,282

11年

45.20

388,518

8,596

 

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