| 平成15年度推薦事例 |
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「規模拡大を山間地の求め創意工夫で難局を克服」
★全国優良畜産経営管理技術発表会優秀賞★
有限会社 北群ファーム (代表取締役:林 壽一)
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| 経営の概要 |
経営主の林壽一社長は、30年以上養鶏業を営み、これまで猿ヶ京温泉の地域で養鶏を行ってきたが、吾妻利根地域畜産基地建設事業に参加して、7万羽〜13万羽に経営を拡大した。
養鶏場建設にあたっては、集落で養鶏業を営んでいるときは、近隣から臭気やハエの苦情で苦慮したことを念頭に置き、自然の換気を利用したウィンドレス鶏舎を建設した。
この結果、この結果、冬の外気がマイナス20℃位でも鶏舎内温度は20℃に、夏は夜間の温度が20℃以下となり飼料摂取が高まり、軟便が少なく、鶏は健康で且つ品質のよい卵を生産し、産卵率の低下を防止している。
鶏舎の管理はコンピュータで行い、鶏舎内温度・外気温・鶏の年齢・卵の生産量・飼料等をコントロールしている。
主な特色は次のとおりである。
1.厳寒期における堆肥発酵熱を活用した融雪
当該地域は冬期積雪が2mに達することから、畜舎周辺及び付帯施設の融雪は重要な作業となっている。このため、堆肥舎の横壁に水道パイプを設置して発酵熱を利用した水温の上昇を利用して屋根、道路やその他融雪の必要な施設に活用した省エネ方式を取り入れている。
2.鶏糞乾燥施設の効果的な配置
鶏糞の処理施設はウィンドレス鶏舎より排出された鶏糞を一次堆積して、向かい側の堆肥盤に貯蔵する方式を採用している。この結果、鶏舎から排出された鶏糞は鶏舎に付設した一次貯留場に堆積され、向かい合いに設置した10層の堆肥盤施で3〜4回の切り返しで第2層に移動して、堆積発酵を促進する。同様にそれぞれの堆肥盤で切り返し作業を行いつつ、順次第10層まで移動していく。堆肥盤にはウィンドレス鶏舎から暖かい換気風が直接堆積鶏糞にあたるようにしたため、鶏糞の乾きが早く、幼虫の羽化がなく、ハエの発生が少なく、衛生的な鶏糞処理法となっている。
堆肥盤で調整された鶏糞は、60日〜90日経過すると発酵鶏糞が調整されて、発酵の進んだものから順次、鶏糞攪拌施設に移動する。移動にあたってはホイルローダを使用して攪拌施設に投入される。攪拌乾燥施設では鶏糞が粒状になるまで乾燥させるが、この期間は約1ヶ月である。
3.鶏糞販売の確立
攪拌施設で調整された鶏糞は、800平方メートルの床面を持った乾燥施設にトラックで搬出して袋詰めされ、「有機トップ」の商品名で農協を通して畑作農家へ販売している。販売量は3分の2が農協経由、3分の1が直接販売である。
全生産量に占める販売量は約70%程度であり、残り25%は敷地に栽植した梅、養鶏場までの道路脇の植樹に使用し、5%は地元農家へ無償提供している。
4.卵質向上対策
卵質向上には飼養管理技術以外に保冷車(10トン車1台)を導入して、配送しており、品質の維持に努力している。
5.環境美化対策
当該地は猿ヶ京の住宅地より約5q山地に入ったところに位置し、人家の全くないところであるが、畜産施設のイメージアップに努力して沿道にヤマボウシ、モミジ、ウツギ、白樺、アジサイなどの花木を2000本植栽して、その管理を行っている。
また養鶏場の敷地内には梅の木1,200本を植えるなど、将来を見据えた環境美化対策を取り入れている。
6.特殊卵としての販売
殺菌液卵の販売を開始して年間40トンの実績を持っている。販売先は観光客の多い苗場のホテルの要望により契約している。また、温泉卵としても年間50万円ぐらいの販売を行い、付加価値の向上に取り組んでいる。
7.外部からの支援
沿道の植栽については、地元住民からの苗木の無償提供を受けるほど、住民と連携のとれた山間地養鶏が進んでいる。
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| 畜舎周辺の環境美化に関する取り組み |
1.花木の植栽
国道17号線から養鶏場に至る沿道に地域住民が提供したヤマボウシ、ウツギ、アジサイ、モミジ、ツツジなど、花木2,000本を植栽して景観の整備に努めている。新設養鶏場敷地にも、同種の花木・梅が植栽され、長期的景観の確保に努めている。
2.畜舎周囲の環境美化
養鶏場玄関には、鶏霊碑・犬霊碑が建立され、周囲は山野草・花木で整備されている。
畜舎周囲は清掃が行き届き、広大な敷地の中での環境美化は進んでいる。
設立当時は、野猿の出没によって被害を招いたが、犬の飼育によって野猿200匹(犬1頭で50頭の出没防止が可能)が全く出没しなくなり、安心した経営が可能となった。
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| 後継者確保・人材育成等と経営の継続性関する取り組み |
経営主本人は59歳で、当分の間運営することができるが、31歳の後継者が実作業を担当し、さらに長女も経営を手伝っていることから、経営の継続性は問題ないとしている。特に経営内容が良く、後継者も希望を持って担当している。
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| 地域農業や地域社会との協調・融和についての活動内容 |
@ 利根沼田農協の監事として地域の農業・畜産の仲間との共存のための活動を担当している。
A 地域循環型農業の確立(耕種農家との結びつき)では、鶏糞堆肥の販売を行い、耕種農家に有効に活用されている。現時点では自家消費に25%を利用しているが製品の需要が高く販売割合を高めていく。
B 遊休地の利用として、7ヘクタールの養鶏場の約3ヘクタールを梅園に計画、梅の生産と景観維持に活かそうとしている。
C 畜産への理解を深める活動として、管内の交通安全協会が配布する交通安全マット(管内小学生・幼稚園児の机上マットに広告)に参加。
D JAショップ、「たくみの里」、民宿・旅館に新鮮卵を提供して、地産地消に積極的ある。地域の農業祭(農協11支所、新治村等)にも参加し、鶏卵の消費拡大に努めている。
E地域のリーダーとしての活躍では、県養鶏農家協議会会長、県養鶏協会の副会長として活躍している。
F 地域活性化のための活動として、地元の住民を雇用(5人)すること及び、環境美化活動では養鶏場に至る2qの沿道に地元住民から無償提供を受けた花木を植栽、養鶏場敷地内の植栽にも地域住民の協力を得て苗木の提供や一部労力提供を頂きながら、地域での当養鶏場の存在を高めてきている。
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| 今後の目指す方向性と課題 |
@ 定時定量供給
飼育羽数を現状のもとで定量供給を実施するための手法として、100%の更新率を検討する。
A ハウユニットを中心とする品質の向上と安全性の確保
更新率の向上とクール配送効果の確認、並びにサルモネラ検査の充実。
B 乾燥鶏糞の完全消費
現在60%の販売を行っているが、今後、植栽に利用する自家消費が少なくなり、販売の増加を心がけ、地域における資源循環型を推進している。
C 遊休地の美化及び公園化
標高800メートルの高冷地に位置し、地元居住地は猿ヶ京温泉として観光が多く、梅、花木を育てた解放区域を設けて、消費者との交流の場として一部を提供できるようにしたい。 |
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