平成15年度推薦事例
地域振興部門
   

「みんなで育てたおいしい低温殺菌牛乳」  畜産大賞 ★優秀賞
 

 −生産者・消費者と一体となった本物志向の製品開発−  


群馬県新田郡新田町
東毛酪農業協同組合
(代表:組合長 大久保 克美)
東毛酪農協同組合のみなさん
東毛酪農協同組合のみなさん

活動のすがた
低温殺菌牛乳などの製品 ミルクランド東毛
低温殺菌牛乳などの製品 本社施設に隣接する「ミルクランド東毛」
牛乳の原点の味(搾りたての味)を味わってもらおうと消費者と共同で開発した低温殺菌牛乳などの製品の一部。とくに低温殺菌牛乳は首都圏直送販売の主力である。 当組合の製造している製品のほか、地域で生産された農畜産物・加工品を販売している。当組合に限らず、地域のアンテナショップとして機能している。
利根川河川敷 工場見学
利根川河川敷を利用した自給飼料生産 牛乳生産を知ってもらうために!
自然いっぱいの利根川河川敷(約150ha)で育った野草を牛に給与し低コストで安全な牛乳づくりに努めている。 多くの消費者に牛乳生産を知ってもらうため、工場見学や牛乳・乳製品を使った料理教室も開催している。また、学乳は東毛地区68校に供給し、地域とのつながりも深い。
河川敷美化活動 消費者とともに牛乳生産
(河川敷美化活動)


自然の草からつくる牛乳を守るため、年1回、利根川河川敷の美化活動を行っている。この行事の中で清潔な牛乳生産に役立ててもらおうと、消費者が家庭にあるタオルを持ち寄り、生産者に手渡す「タオル贈呈式」は心のこもった交流である。

事例紹介
 東毛酪農業協同組合は、地域酪農経営の安定化を図るために組合員と一体となり、牛乳生産から加工・販売までの一貫体制を築き、消費者のニーズに応えたオリジナル商品の開発、良質牛乳生産を目指してきた事例である。
 本組合は、昭和27年、酪農家の結束を強め、「生産者による市乳の東京直送販売と一大酪農生産地の実現」を目標に設立され、昭和35 年には生乳販売事業の完全な自主運営を確立し、購買・指導、市乳製造販売、ヘルパー、牧場、粗飼料供給、畜産環境対策などの事業を展開してきている。
 最近は組合員が生産する60 %程度を自家プラントで処理しており、製品内訳は、普通牛乳(高温殺菌)42 %、低温殺菌牛乳33 %、学乳19 %、その他6 %である。低温殺菌牛乳は、「東京直送販売」の主力商品であり、首都圏の牛乳専売店への宅配用瓶詰め「低温殺菌牛乳」と、首都圏を中心としたグループ向け直接宅配用瓶詰め「みんなの牛乳」の2種類がある。このほか非遺伝子組み換え飼料を給与した「Non-GMO牛乳」や直営根利牧場産の「特別牛乳」なども生産している。これらの商品開発は、生産者、消費者、組合の三者が一体となって行ってきた。
 当組合活動の特徴は、消費者のニーズに即した市乳・乳製品の加工・販売を行うための仕組みである。昭和57 年から酪農家、消費者グループ、組合三者の代表による「みんなの牛乳勉強会」を設置し、牛乳の品質改善や商品開発に関する消費者のニーズの把握を開始した。ニーズを反映し、「低温殺菌牛乳」や「ナチュラルチーズ」等の製品が生まれたほか、信頼のおける製品を作り上げるための原料たる生乳の品質維持のための仕組み「指定農家制度」を導入してきた。この制度は良質生産を奨励するため、酪農家グループによる検討を経て、組合独自の検査基準を定め、ランク付けを行い、乳価に反映させ、組合員の乳質改善意欲と競争意欲を促すためのシステムであり、導入してから20年以上続いている。
 学乳については、より美味しいものを賞味してもらうためにHTST乳を東毛地区68校に供給、積極的な工場見学や乳製品製造教室の受け入れ、小学校等に対する牛乳の知識の普及活動など、牛乳生産・乳業に理解を求める活動も実施している。
 このほか、本組合では酪農生産地を維持するため、コスト削減と安全な牛乳の生産のために利根川河川敷約150haの未利用野草をロールベールサイレージとして活用、全国に先駆けてヘルパー制度を導入したことなどが特徴的である。現在では、この利根川河川敷において生産者と消費者が一同に会し年1回の美化活動を行っており、相互交流の場となっている。
 さらに、直営根利牧場における特別牛乳生産とふれあい牧場としての開放、アンテナショップ「ミルクランド東毛」の設置など活動の広告的な機能も兼ね備えている。
 このように本組合は、消費地東京を中心とした直送販売を実現、消費者との交流による相互理解を図り、そこで得られた消費者ニーズの生産現場への反映、徹底的な本物志向の製品開発を基本として、組合員および組合の活性化のための機能を多様に取り入れ、地域酪農の振興を行ってきた事例である。
 


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