
家畜防疫互助事業は、口蹄疫、豚熱等の伝播力が極めて強く、我が国の畜産経営に極めて重大な影響を及ぼす疾病が万一発生した場合、畜産経営への影響を緩和するため、生産者自らが積立を行い、発生農場が経営再開までに必要な経費等を相互に支援する仕組みに国((独)農畜産業振興機構)が補助する事業です。
このことにより、発生農場や周辺農場の負担を最小限にとどめ、安心して経営を維持、継続することができます。
事業のポイント
- 牛・豚(水牛及びイノシシを含む)を飼育されている生産者は、どなたでも加入できます。ただし、「飼養衛生管理基準」を遵守することが必要となります。
- 事業の対象となる家畜伝染病は「口蹄疫」「牛疫」「牛肺疫」「豚熱(CSF)」「アフリカ豚熱(ASF)」の5疾病です。
- 納付いただく生産者積立金は牛・豚ごとに管理し、互助金を交付する場合には生産者積立金と補助金を1/2 ずつ拠出して交付します。
次期事業対策期間(令和6年度~令和8年度)の制度改正
次期事業対策期間(令和6年度~令和8年度)から以下の改正が行われる予定です
互助金の交付対象の拡充
(移転して経営再開する場合も交付対象)
従来は家畜疾病が発生した農場で経営再開する場合に互助金を交付することとしていましたが、その農場外(他の都道府県を含む)で経営再開する場合も互助金の交付対象とします。
互助金の申請期限の設定
- 家畜疾病が発生した農家の経営再開を促すとともに、事業を早期に完了し、契約者からお預かりした生産者積立金の無事戻しを早期に行い、農家の資金繰りに配慮する観点から互助金の申請期限を設けることとします。
- 次期事業対策期間(令和6年度~令和8年度)の3年間に家畜疾病が発生した生産者の互助金の申請は、家畜疾病が発生した日から原則として3年以内とします。
加入手続
次期事業対策期間(令和6年度~令和8年度)の家畜防疫互助事業制度の適用を受けるためには、令和6年3月31日までに事前申込手続を行う必要があり、この期間を過ぎますと、以下の場合を除き加入できません。
- 新規就農者
- 農場の増設を行う場合
- 相続等により契約者に変更があった場合
- 申込時点で家畜疾病が発生している区域で、その後移動制限の解除により家畜の導入を行う場合
本事業に加入を希望する生産者は、農場が所在している都道府県の畜産協会等(農協等の事務委託先を含む)に申込書を提出して下さい。申込を受けた畜産協会等は契約書を締結し、生産者積立金の納付の依頼をいたします。
契約の効力は、令和6年3月31日までに申し込まれた方は令和6年4月1日~令和9年3月31日までとなります。新規就農者等の方で令和6年4月1日以降に申込まれた場合は、申込まれた日から令和9年3月31日までとなります。
契約頭数
- 申込書には、農場ごとに契約頭数を記入してください。
複数の農場を所有する場合は、家畜伝染病予防法第12 条の4 による家畜の飼養に係る衛生管理の状況等に関する定期報告を行う農場ごとに、契約頭数を記入してください。 - 契約頭数は増頭する場合にのみ変更することができます。契約頭数を減らしても生産者積立金は事業完了まで返還されません。
生産者積立金
国内外の豚熱等の家畜疾病の発生状況を踏まえ、単価の見直しを行いました。
家畜の種類ごとの生産者積立金の1 頭当たりの単価は次のとおりです。
区分 | 家畜の種類 | 生産者積立金の単価 (1頭当たり) | |
---|---|---|---|
乳用牛 | 乳用牛(24か月齢以上) | 245円 | |
乳用牛(24か月齢未満) | 90円 | ||
肉用牛 | 肉専用種繁殖雌牛(24か月齢以上) | 235円 | |
肉専用種繁殖雌牛(24か月齢未満、子牛を含む) | 125円 | ||
肉専用種肥育牛(子牛を含む) | |||
交雑種肥育牛 | 95円 | ||
乳用種肥育牛 | 90円 | ||
豚 | 家族型 | 繁殖用種豚(雌) | 340円 |
繁殖用種豚(雄) | 340円 | ||
と畜場に出荷される肥育豚 | 60円 | ||
企業型 | 繁殖用種豚(雌) | 380円 | |
繁殖用種豚(雄) | 380円 | ||
と畜場に出荷される肥育豚 | 70円 |
- 1.繁殖用種豚には繁殖の用に供される予定の雌及び雄の豚を含みます。
- 2.豚について、契約対象となるのは離乳後の豚となります。
- 3.乳用牛および乳用種肥育牛には、水牛( 食用生産に係るものに限る。)、豚にはいのししを含みます。
(注) 豚の企業型は、常時雇用する従業員(生計を一にするものを除く)が1 人以上いる法人等が加入できますが、この場合でも家族型を選択することができます。事業対策期間において、この契約区分(家族型、企業型)を同一年度内に1 回に限り、変更することが出来ます。
生産者積立金の納付
- 生産者積立金は契約頭数に生産者積立金の単価を乗じた金額を納付していただきます。
- 対象疾病の発生が多く生産者積立金が枯渇する場合には、追加納付が必要となる場合があります。
無事戻しについて
生産者積立金は、事業対策期間(令和6年度~令和8年度)に家畜伝染病が発生した生産者への互助金交付が終了後に、残額を返戻します。
事業対策期間内に家畜伝染病が発生しなかった場合には、生産者積立金の全額を返戻します。
生産者積立金の経理上の取扱い
生産者積立金は「仮払金」として処理してください。対象疾病の発生に伴う互助金の交付により生産者積立金の取崩があった場合には、生産者積立金の返戻時に取崩額をご連絡しますので、その金額を経費として処理してください。
経営支援互助金とその単価
契約対象農場において、当該農場の経営を再開する場合に、家畜の導入を完了するまでに要する空舎部分の固定経費等を支援します。
家畜の種類 | 互助金の上限単価(1頭あたり) | ||
---|---|---|---|
経営支援互助金 | |||
乳用牛 | 乳用牛(24か月齢以上) | 200,000円 | |
乳用牛(雌、12か月齢以上24か月齢末満) | 27,000円 | ||
子牛(雌、12か月齢未満) | 23,000円 | ||
肉用牛 | 肉専用 | 繁殖雌牛(24か月齢以上) | 198,000円 |
繁殖雌牛(12か月齢以上24か月齢未満) | 56,000円 | ||
肥育牛(雌、12か月齢以上) | |||
肥育牛(雄、12か月齢以上) | |||
子牛(12か月齢未満) | |||
交雑 | 肥育牛(12か月齢以上) | 32,000円 | |
子牛(12か月齢未満) | |||
乳用 | 肥育牛(12か月齢以上) | 27,000円 | |
子牛(12か月齢未満) | 23,000円 | ||
豚 | 家族型 | 繁殖用種豚(雌) | 49,000円 |
繁殖用種豚(雄) | |||
肥育豚(21日齢以上のもの) | 10,000円 | ||
企業型 | 繁殖用種豚(雌) | 56,000円 | |
繁殖用種豚(雄) | |||
肥育豚(21日齢以上のもの) | 11,000円 |
- 1.国等の事業を利用し、新たに導入する家畜については、経営支援互助金の交付対象頭数から除かれます。
- 2.豚の互助金の交付対象は、離乳後の豚(21日齢以上)です。
互助金の交付
万一対象疾病が発生した場合、交付申請に基づき互助金が支払われます。ただし、家畜の伝染病の発生を予防又はまん延を防止する為に必要な措置を講じなかった場合には、互助金が減額又は支払われない場合があります。
互助金の交付
※ 互助金は、契約頭数を上限に殺処分頭数又は導入計画頭数のいずれか少ない頭数(交付対象頭数)に基づき交付されます。このため、増頭を予定されている方は増頭後の 予定頭数での契約をお勧めします。
契約頭数 | 殺処分数 | 導入計画頭数 | 交付対象頭数 | |
---|---|---|---|---|
農家A | 100頭 → | 80頭 → | 90頭 → | 80頭 |
農家B | 100頭 → | 80頭 → | 70頭 → | 70頭 |
農家C | 100頭 → | 120頭 → | 110頭 → | 100頭 |
互助金の経理上の取扱い
交付された互助金は税金がかかりますので、収入として計上することになります。
家畜防疫互助事業の内容に関するお問い合わせ先
家畜防疫互助事業の詳しい内容、ご不明な点については、お近くの都道府県畜産協会等にお問い合わせください。
協会等名 | 電話番号 | 協会等名 | 電話番号 |
---|---|---|---|
(公社)北海道家畜畜産物衛生指導協会 | 011-590-4990 | (一社)滋賀県畜産振興協会 | 0748-33-4345 |
(一社)青森県畜産協会 | 017-722-4331 | (公社)京都府家畜畜産物衛生指導協会 | 075-316-4683 |
(一社)岩手県畜産協会 | 019-694-1300 | (一社)大阪府畜産会 | 06-6941-1351 |
(一社)宮城県畜産協会 | 022-298-8472 | (公社)兵庫県畜産協会 | 078-381-9356 |
(公社)秋田県農業公社 | 018-893-6213 | (一社)奈良県畜産会 | 0744-29-4004 |
(公社)山形県畜産協会 | 023-665-1157 | (公社)畜産協会わかやま | 073-426-8133 |
(公社)福島県畜産振興協会 | 024-573-0515 | (公社)鳥取県畜産推進機構 | 0857-32-8113 |
(公社)茨城県畜産協会 | 029-225-6697 | (公社)島根県畜産復興協会 | 0852-24-8219 |
(公社)栃木県畜産協会 | 028-664-3633 | (一社)岡山県畜産協会 | 086-232-8442 |
(公社)群馬県畜産協会 | 027-220-2371 | (一社)広島県畜産協会 | 082-962-1873 |
(一社)埼玉県畜産会 | 048-536-5281 | (公社)山口県畜産振興協会 | 083-973-2725 |
(公社)千葉県畜産協会 | 043-241-1738 | (公社)徳島県畜産協会 | 088-634-2680 |
(一社)神奈川県畜産会 | 045-761-4191 | (公社)香川県畜産協会 | 087-825-0284 |
(公社)新潟県畜産協会 | 025-234-6783 | (公社)愛媛県畜産協会 | 089-948-5885 |
(公社)富山県畜産振興協会 | 076-451-0117 | (一社)高知県肉用子牛価格安定基金協会 | 088-892-4835 |
(公社)石川県畜産協会 | 076-287-3635 | (公社)福岡県畜産協会 | 092-641-8714 |
(一社)福井県畜産協会 | 0776-27-8228 | (公社)佐賀県畜産協会 | 0952-24-7121 |
(公社)山梨県畜産協会 | 055-222-4004 | (一社)長崎県畜産協会 | 095-843-8825 |
(一社)長野県畜産会 | 026-228-8809 | (公社)熊本県畜産協会 | 096-369-7745 |
(一社)岐阜県畜産協会 | 058-273-9200 | (公社)大分県畜産協会 | 097-545-6595 |
(公社)静岡県畜産協会 | 054-253-3218 | (公社)宮崎県畜産協会 | 0985-41-9301 |
(公社)愛知県畜産協会 | 052-951-7477 | (公社)鹿児島県家畜畜産物衛生指導協会 | 099-258-6618 |
(一社)三重県畜産協会 | 059-213-7511 | (公財)沖縄県畜産振興公社 | 098-855-1129 |
お問い合わせ先
公益社団法人 中央畜産会 資金・経営対策部
〒101-0021
東京都千代田区外神田2-16-2(第2DICビル 9階)
TEL:03-6206-0833 FAX:03-5289-0890
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